群馬県立小児医療センター 神経内科 部長 椎原 隆 先生

  経歴

山形大学卒業 平成5年卒業

学生や研修医への提言

実は自分はもともと小児神経をやりたいという強い動機があったわけではなく、大学生時代もボランティアとか全く経験なく呑気にバンド活動・音楽活動にうつつを抜かし、小児科医として働き始め専門を決めて少しずつ深めていきたいと思う時期に上司と相談しながら諸事情を踏まえて小児神経を選択したという結構場当たり的選択。その際せっかくだから専門の施設に行って研修したらいいんじゃないのということで、既に小児神経科医として歩み始めていた先輩加藤光広先生(ご自身も鳥取大学脳神経小児科で研修)に相談した結果、鳥取大学での研修を薦められ鳥取にたどり着く。ほとんど小児神経に関する経験も知識もない素の状態で鳥取に来たので、迎えた方々にはえらい迷惑だったんじゃないかと思わなくもないですが、優しい先輩・同僚(中には怖い人も居たような気がしないでもないですが、記憶が・・・)と勉強中のペーペーを受け入れてくれる患者さんに支えられ教えられながら、研修期間を無事(無事じゃなかったことは忘れました)終えて、その後もずーっとある意味研修中、今に至る。

若い方へ 別に強い動機とか、しっかりしたvisionを持ち合わせなくても、その時その時の出会い(先輩・同僚・患者・家族・恋人・友人・知人・犬・猫など)を大切にして、文献などから世界標準あるいはそれ以上を学びながら、可能な範囲でoutput(論文とか)し、自分の知識経験を少しでも世の中に還元していくよう地道に努力すれば、結構何とかなります。何とかならなくてもそれが人生です。別に小児神経とか医学でなくても世の中に貢献する方法はきっと沢山あるでしょう。何でもいいから選んだ道をしっかりと楽しみながら歩めば、それがあなたの生きる道。小児神経をやってると、様々な病気・障害を持った人たちと会う機会が多いです。彼・彼女らの困難さに比べれば、我々の困難さなど取るに足らないことかもしれません。今の自分・今持てるものに感謝しながら一歩一歩前に進んで下さい。

Life Is to Be Enjoyed, Not Endured − Reginald Ray Knouse