鳥取大学医学部
■ゲノム形態学分野■
Division of Genomic Morphology
●ゲノム形態学分野
分野名ゲノム形態学分野 Division of Genomic Morphology電話番号TEL:0859-38-6013スタッフの職名と氏名准教授名黒知徳助教(学部内講師)稲賀すみれ助教(学部内講師)中根裕信分野の特色解剖学第一教室からゲノム形態学分野と名称が変更された。学生教育は主として、細胞・組織・器官の正常構造について講義と実習を担当している。加えて、系統解剖実習も担当している。研究としては下記のテーマについて、DNAレベルから組織レベルまでの構造を光学顕微鏡、走査および透過電子顕微鏡を用いて観察している。研究成果の多くは国際学会で招待講演として発表してきている。大学院生にも国内学会のみならず、国際学会でも発表できるように支援している。研究成果の写真を国内・国外の生物関係の教科書や参考書などの掲載図のために提供している。外国人研究者との共同研究は・核と染色体の三次元構造(インド)、・嗅覚器の微細構造(ドイツ)、・生殖細胞の発生(イタリア)、・DNA修復欠損と神経変性(アメリカ)などを行っている。分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明*ヒトゲノムの高次構造:
ゲノムの発現制御機構を明らかにするためには今日までのゲノムプロジェクトによって得られた2次元構造としてのDNAの塩基配列情報以外に、染色体や核の3次元構造や、細胞内構造の周期的時間変化などの空間的、時系列的な情報を考慮した解析が必要となりつつある。そこで、ヒトの染色体の3次元高次構造を解明するために、数々の新しい試料作成方法を開発しながら、ヒトをはじめ、広く、動・植物(ショウジョウバエ・ユスリカ・バッタ・イモリ・カエル・ムンチャク・ツユクサ・ユリ・タマネギなど)の染色体をも研究対象として、種々の染色体の3次元微細構造を比較・検討することによって、生体における染色体の真の姿を追求している。
*核膜の微細構造:
核質と細胞質を境する核膜には直径100nm程度の核膜孔があり、核と細胞質を交流する物質の通路となっている。この通路は複数のタンパクに修飾されて核膜孔複合体と呼ばれる動的な物質通過制御機能を持つゲートを形成していると考えられている。核膜孔複合体による物質通過制御機能を説明するための基本となる動的3次元微細構造を明らかにするために、独自に開発した凍結割断法を応用した走査電顕によるステレオ画像を中心に、従来からの超薄切片法、ネガティブ染色法、凍結レプリカ法や凍結切片法などを応用した透過電顕による画像との比較を通して新しいモデルの構築を試みている。
*ミトコンドリアの構造:
真核細胞に存在するミトコンドリアの数は、一つの細胞に数百?数千個あり、形は直径約1ミクロン程度の球形または棒状がふつうである。しかし、ある種の下等な生物では、分裂期には多数あるミトコンドリアが間期には互いに融合して一個の巨大なネットワーク状となることが知られている。高等動物であるラットの神経細胞においてもネットワーク状のミトコンドリアが存在することを発見した。これを契機に、ミトコンドリアの数と形を制御する機構の解明を目指した研究を展開しつつある。
*生殖細胞の発生:
ヒト卵および精子の発生について国内・国外の共同研究者とともに研究を進めている。主として原始生殖細胞から胚盤胞にいたるまでの形態変化の過程を、走査および透過電鏡による3次元立体像を中心に追求している。
*ヌクレオチド除去修復の役割:
色素性乾皮症(XP)は皮膚癌発生と進行性の精神神経症状および性腺発育不全を臨床的特徴とした遺伝疾患である。XPの病態モデルとして、XPA遺伝子欠損マウスを用いてヌクレオチド除去修復(NER)機構とその役割について研究を進めている。HP作成担当者名名黒知徳電話番号0859-38-6013
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