新しい「FAQ (Q & A) 1 (病理の絡む進路、女性病理医、収入、募集)」の
ページはこちら
お知らせ:新ホームページでweb上のCPC(臨床病理カンファレンス)始めました。
FAQ(Q & A)
Q1:病理が絡む進路として、どのようなものがありますか?
病理の大学院卒業・後期研修で病理選択→病理医(大学、総合病院、開業、研究所等)
病理の大学院卒業→内科、外科、皮膚科、放科、法医学等の他科転科(→病理に戻る人も)
他科医師、歯科医師・獣医師、病理研究に興味のある方、出産・育児後復職希望者→病理関連大学院・大学病理学教室スタッフ・附属病院病理部医員等
一般病理医からさらに特殊な領域の専門家(皮膚病理、神経病理等)(generalistにしてspecialistの道へ)(鳥大には全国でもそう多くない神経病理の教室があります。autopsy時、頭部は神経病理医、胸部・腹部は基盤病態医学講座スタッフ(器官病理・分子病理)が担当する事があります。CPC等では、一緒にdiscussionします。)
たとえば、内科に進んでも、その専門の臓器の病理組織像を観る内科医は多いです(肝臓内科医では慢性肝炎の生検組織像、腎臓内科では糸球体腎炎の生検組織像、血液内科であれば骨髄塗抹像(細胞診の一種)、皮膚科では皮膚病理組織像等)。多くの疾患は細胞・組織に異常が生じているので、顕微鏡と無縁の科は殆どありません(異常があっても実際の診断に組織像を観察する必要のない疾患もあります(例:心筋梗塞))。
病理組織像を理解した後で、内科なり外科なりの進路に進んだとしても医師としての寿命は長いので病理の大学院生・病理医として過ごした期間は決して無駄にはならないと思われます。
逆に、当分子病理分野には脳神経小児科出身の教員がいます。
出産・育児後復職希望者で週数回の非常勤の形等も可能です。
参考までに、やや特殊なケースも含めて、いくつかの実例・本等を以下に記載します。
内科医→病理医→内科医:中村哲也先生
(消化器内視鏡の専門家ですが、(内視鏡の病理組織の結果を早く知りたい事から?)病理の専門家になり、総合病院で病理医として勤務されていました。現在は再び内視鏡の専門家に。)
小児科医→病理医:田中文彦先生
神経内科学→神経病理学:平野朝雄先生
病理も標榜して開業:若槻真吾先生
(2008年4月1日より、病院の看板に病理の標榜可能になりました)
(平成20年2月27日官報 号外第36号 政令第36号 11-12頁)
学生時代から病理志望→病理医:向井万起男先生(確か奥様は心臓血管外科。。)
皮膚科医として、皮膚病理診断科で開業:木村鉄宣先生
難波紘二先生
覚悟としての死生学、情報武装すればどこで暮らしても情報発信可能、病腎移植について
沼本 敏先生
大城真理子先生
海外医学部卒→日本医師国家試験合格 病理医 ハンガリー御出身のメルニェイ・マリア先生(ハンガリー・ゼンメルワイス大学医学部卒)
長谷川章雄先生によるHomeopathyに関するホームページ
ヤンデル先生 (本欄に関して、コメントを頂きました(2011/9/16)。)
注:上記の先生方は、「博覧強記」という言葉が浮かぶ先生方ですが、それらの知識がないと病理医の仕事が出来ないわけではありません。内科医や外科医が病理医に求めているのは、「ガラスの上のマッチ棒の先ぐらいの組織の病理学的解読」です。「乳癌は日本人女性の20人に1人がなる」とかの知識を基にした病理学的想像ではありません。極論を言えば、顕微鏡上のあるがままを答えるだけで事足ります。
「あるもの全てを見よ」
「考えるな。見よ!!!」
という、先人の教えがあります。
勿論、虫の目だけでなく、鳥の目も必要ですが。
NEJM (日本語版も)の中に、MGHのCPC reportがありますが、各所見から、storyを組み立てる凄さを感じる事も。
ゅう
「最後の診断」アーサーヘイリー著
病院内での病理医の事がわかる本。邦訳は1975年ですが、医学が進歩しても本質は変わらない事もわかります。アメリカのとある病院が舞台。仕事内容に日本とアメリカで大差があるわけではありません。しかし、ご主人のアメリカ留学に一緒に行かれ、アメリカの病理医の姿に感化され、日本で病理医になった日本人女性元内科医もいます。
向井万起男先生が「ハードボイルドに生きるのだ」で御紹介。主人公の一人は病理医。実話との事。
参考: Wikipediaでアインシュタインの脳や杉元賢治先生の名を検索してみてください。
カンザス州ウイチタのトーマス・ハーベイ博士に関しては、村上朝日堂の逆襲の噂でも。。。
かつて、はやったシリーズのremake。キンブルとジェラール(滑稽な感じのあのCMのあの人ですが、この映画ではとてもかっこ。。。)の2人以外に記憶される登場人物は少ないかも知れませんが、キンブルの友人として、病理医(clinical pathologistかanatomical pathologistかはっきりしない)が出てきます。
「JAWS」
病理医は出てきませんが、解剖(AUTOPSY)という単語が出てきます。サメの歯は実は、歯ではないらしい。8-10日で生え変わるらしい。
Q2:女性にとって、メリットがありますか?
子育て等をこなしながら、仕事を続けている女性医師も多いですが、病理診断科も可能な科の一つです。当教室(分子病理学分野)にも女性病理医がいます。最近は、日本国内で新たに病理医への道を歩む医師の比率は女性優位(♀:♂=2:1)です。
以下の記事を参考にしてみて下さい。
とある地方のとある先生(50音表を左から右に暗唱することが得意との事)
Q3:病理医の収入は如何ですか?
当教室の大学院生・後期研修医は、他教室の大学院生・後期研修医とほぼ同じ収入を保障しています。総合病院に病理医として勤務した場合、その病院の医師給与体系に基づいて算出されます。病理医は当直をしませんが、基本的には他科と一緒です。希少価値がある分、麻酔科医と同様に病理医は給与に上乗せがあるとかいう県もあるようです。開業なさっている病理の先生で、所得番付(今は公表されなくなりました)で公示された方も。
Q4:貴科では初期研修、大学院生、病理部非常勤等の募集が行われていますか?
見学等、随時受け付けています。
希望内容により、臨機応変に対応致します。
組織学的診断分野(外科病理、人体病理) and / or 病理学研究(実験病理)に進みたい医師歓迎。
大学院・鳥大附属病院後期研修では様々な症例経験を積めるプログラムにより効率的な研修がなされるよう計画しています。
スタッフ紹介欄で分かるように外科や内科など他科の医師、獣医師、歯科医師で病理学に興味を持つ方への扉も開かれています。
病理専門医資格を有し、鳥大附属病院病理部非常勤医師等として働きたい方も歓迎致します。
(参考:病理専門医に関わる統計)
やる気のある方であれば、どなたでも結構です。
どんな些細な事でも結構です。是非一度お問い合わせ下さい。
電話やメール等でお気軽にお問い合わせください。
連絡先:
鳥大医学部基盤病態医学講座
分子病理学分野教授
he
鳥大医学部附属病院病理部部長
林 一彦
hayashik@med.tottori-u.ac.jp">hayashik@med.tottori-u.ac.jp