学部：情報リテラシ、情報科学概論、保健統計学、くすりと作用、情報科学演習、医療情報システム学、医療データ解析学、構造生物学・バイオインフォマティクス、など

大学院：生体機能・情報解析学特論、医療情報処理学特論、先端保健学特論など

一連の情報学・統計学関連の授業を通して、データを科学的に解釈する能力を身につけてほしいと考えています。

コンピュータ・シミュレーションは、分子、細胞から個体や集団に至る様々なレベルで、仮想的な新しい実験手法のひとつとして期待されています。私達の研究室では、コンピュータの中で、蛋白質分子の形や動きや働きを観察する分子動力学シミュレーションという手法を使っています。DNA修復関連の蛋白質が損傷部分だけを厳格にみつけることができるのは何故か、あるいは、血清アルブミンが多様な薬物の動態に影響を与えるのは何故か、このような相互作用のメカニズムの解明に分子シミュレーションを適用しています。分子シミュレーションの実行には、並列分散処理など計算科学の技術も必要ですが、その応用研究や分子シミュレーションの信頼性を高めるための方法論的研究も行っています。

母集団薬物動態解析による薬物の集団特性の解明や、構造活性相関解析による薬物の吸収特性の予測、高分解能CT画像のニューラルネットワークによる識別などを手掛けてきました。今後も、種々の検査データの統計学的・機械学習論的な解析法の開発を継続し、また、蛋白質‐リガンド間相互作用の問題にも適用してみたいと考えています。

修士課程の間に、是非、実行してほしいことは、論理的な分析力と企画力に磨きをかけることです。すなわち、修士課程は、考えて行動できるようになるための訓練の場と考えていただければよいかと思います。このことは、どの研究室でもあてはまることだと思いますが、当研究室の場合は、加えて、データを科学的に解釈する能力を身につけることも目標のひとつです。学部教育の課題研究では時間的な制約のため、十分な訓練にはなりませんが、基本は同様に考えています。