我が国の社会は、高齢化、少子化、地方の過疎化等の深刻な問題に直面しています。人々の関心は、病気の先端的な診断や治療のみならず、生活環境を考慮した病気の予防、身体的障害からの回復やリハビリテーション、精神や心の支え、老齢者の健康生活の支援や生命への畏敬など広範な領域に及んでいます。一方で医療人にも豊かな人間性と高い倫理性が求められています。多くの医療関係職員がチームを組み、人々のニーズに沿った医療の在り方が求められ、メディカルスタッフの一員としてチーム医療を行うために、人々の生活の質、健康増進、疾病の予防と回復への支援ができる能力が要求されます。保健学科は、こうした社会のニーズに対応できる専門医療職を育成するために設置されました。
沿革
保健学科(2専攻6大講座)は、平成11年10月1日付で、それまでの鳥取大学医療技術短期大学部(昭和 50年4月設置)を改組し鳥取大学医学部に設置されたものです。前身の医療技術短期大学部は、医学部附属看護学校及び臨床検査技師学校を改組したもので、医療技術者教育では53年に及ぶ歴史と伝統があります。
平成16年には大学院保健学専攻(修士課程)を設置しました。問題解決型の教育法にもとづく、医療に関する深い専門知識と高度な技術の習得と共に、豊かな人間性と高い倫理性に支えられた専門的な研究能力をもつ医療人の養成を目指しています。