現在、我が国における死亡原因の第1位は悪性腫瘍ですが、第2、3位の心臓病、脳卒中を合わせた心血管疾患による死亡率は悪性腫瘍をしのいでいます。またこれらの心血管疾患の発症は死に至らなかったとしても、Quality of life(QOL)の極端な低下をもたらします。特に高度高齢社会にあって、より活力ある高齢社会を迎えるためにも、動脈硬化症とその危険因子である高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、肥満症、マルチプルリスクファクター症候群などの生活習慣病克服は私達に課せられた最大の命題です。
これらの疾患の発症様式(遺伝的素因と環境要因)を含めた病態(臓器障害とそのメカニズム)の解明、予防医療、EBMに基づく非薬物(食事、運動療法)ならびに薬物療法を展開することは、臨床医学に携わる者にとっては当然なことですが、動脈硬化症の危険因子である高血圧、糖尿病、高脂血症などは一般的には症状が乏しく、しばしば放置され、動脈硬化は知らず知らずのうちに進行し、最終的には脳、心、腎といった重要臓器の障害を生じ、死に至らしめている(silent killer)のが実情です。従って、病気の進展をいかに予防するかのみならず、薬物、非薬物(手術等)治療に抵抗する患者への心血管機能再生をいかに実施していくかも私達に課せられた大きな課題です。
分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明詳細な内容については、医学部ホームページ医学科病態情報内科学分野を参照下さいHP作成担当者名