鳥取大学医学部

■再生医療学部門■
Division of Regenerative Medicine and Therapeutics
●再生医療学部門

分野名

再生医療学分野 Division of Regenerative Medicine and Therapeutics
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電話番号

TEL:0859-38-6441

スタッフの職名と氏名

教授

久留一郎

教官(助教授)

白吉安昭

教官(助手)

星川淑子

教官(助手)

山本康孝

分野の特色

疾病による細胞障害の機構を明らかにし新しい機能再生治療を開発し臨床の場で実践するトランスレーショナルメディシンを目標としています。実際には機能喪失を補う為に蛋白を安定化し増加させる方法、酵素の新たな機能を用いた心筋保護法、幹細胞から修飾分化誘導した機能性細胞を障害部位に移植する方法の開発研究を行っています。


山崎助教授担当分野
個体発生は外胚葉・内胚葉・中胚葉、そして第4の胚葉と言われる神経堤細胞のお互いの細胞相互作用により進んでいきます。神経堤細胞はヒトを始めとする脊椎動物以降の生物にのみ存在する特異的な細胞集団で、胎生期に神経管愈合部から発生し、色素細胞、末梢神経系細胞、軟骨細胞、歯の象牙芽細胞に分化する移動性の高い細胞であることが知られています。さらに顔面、甲状腺、胸腺や心臓の器官形成にも深く関与していると考えられています。

この多分化能を持つ神経堤細胞が、いつ、どこで、どのようにしてそれぞれの細胞系譜に決定されるのでしょう。その為には、胎仔マウスから生後マウスまでいろいろな時期、いろいろな組織から神経堤細胞を単離し、どのような細胞系譜に分化可能か調べる必要があります。さらに応用として、我々は末梢神経や歯の象牙芽細胞を誘導しようと考えています。これにより、末梢神経や歯の欠損に対する再生医療につながるのではないかと考えるからです。

具体的には以下のプロジェクトを進めています。

1)神経堤細胞の幹細胞の単離及び多分化能の解析
神経堤細胞を特異的に標識できる遺伝子改変マウスを用いて、マウスの生体内に存在する神経堤細胞を単離し、その細胞の分化能を検討します。これにより、分化能を持った神経堤細胞が存在する時期、組織が明らかにできます。

2)神経堤細胞と器官形成
神経堤細胞は、器官形成を含む「かたち」造りに関与しています。我々は、外胚葉、内胚葉、中胚葉さらには神経堤細胞の関与に因り正常発生をおこなう胸腺という組織に多分化能をもつ神経堤細胞がいることを見つけました(図1)。現在、胸腺をモデルとして、神経堤細胞の「かたち造り」についての役割を調べています。

3)神経堤細胞から歯を創る
歯は、上皮由来のエナメル質と神経堤細胞由来の象牙質から形成される硬組織です。しかしながら、試験管内で歯を作ることはまだ出来ていません。我々は、歯の象牙芽細胞に特異的に発現する遺伝子を指標として(図2)、象牙芽細胞への試験管内分化誘導系を確立することを一つの目標とし、歯の再生医療を夢見ています。

Dsp-LacZマウスのLacZの遺伝子の発現
Dsp-LacZマウスのLacZの遺伝子の発現
マウス臼歯、前歯共に象牙芽細胞(矢印:Od)特異的にLacZが発現している。従って、LacZは象牙芽細胞の指標に利用できる。

HP作成担当者名

山本康孝



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