生命科学科 入試情報

Q1  既存の医学科や理工学部の生物系学科とどこが違うのですか? また、他大学の生命科学科との違いはどんなところですか?

A 本学科は、医学部内にある数少ない生命科学系・生物系の学科で、医師ではなく生命科学・医学分野の研究者養成を目的として我が国で初めて設立されました。 基礎科学と医学の教育が同時に行われ、学部4年生及び大学院生は、生命科学に加え医学の幅広い分野の中から研究室を選択し、研究できるなど医学部ならではの利点があります。 これらの教育と研究を通じて、生命現象における基礎的な真理の探究、疾患の機構の解明、そして最先端医療を支える技術の開発に携わる研究者を育成します。

 また、本学科は25年の歴史に育まれた素晴らしい財産を持っています。 それは、生命機能研究支援センターをはじめとする優れた研究環境、様々な分野での世界的研究業績、そして将来の研究や就職活動に役立つ卒業生のネットワークが全国や海外に展開していることなどです。これらの点が本学科独自の特色です。
生命科学科の位置づけ

 



Q2  滋賀県に住んでいる高校三年生です。私は将来再生医療について研究したいと思っているのですが、鳥取大学の医学部生命科学科ではそのような研究は行われていますか? また、そのようなことは学べますか?

A  生命科学科は受験雑誌等で書かれていますように、分子生物学、細胞工学、免疫学、ゲノム医工学、生体情報学、病態生化学、神経生物学からできています。このうち、分子生物学では肝細胞や筋肉の再生分化を研究し、アデノウイルスベクターを開発し遺伝子治療にも利用できるようにしています。細胞工学では、染色体ベクターの開発で世界的なレベルにあり、ヒト染色体を持つマウスの作成に成功しました。免疫学では胚性幹細胞から骨や歯の再生の研究をしています。生体情報学では主に生き物の形つくりや再生現象での細胞分裂の調節機構の解明を目指しており、病態生化学では卵成熟過程でのリン酸化シグナルの研究、神経生物学では視力を中心とした脳神経系の確立の機構を研究しています。

 生命科学科の学生は内科学概論や外科学概論、病理学、解剖学など医学的知識を身につけた後、分子生物学など生命科学を実習や卒業研究などでしっかりと勉強しています。卒業研究を臨床教室に行って臨床サイドの基礎研究(直接治療行為ができない)を行っている学生もいます。

 大学院の医学系研究科の中には、医学専攻の他に生命科学系専攻と機能再生医科学専攻があります。従って生命科学科の卒業生は生命科学専攻と機能再生科学専攻のどちらにでも進学することができます。

 機能再生医科学専攻は、独立専攻といって学部生を持たない大学院だけの学校で、遺伝子機能工学、生体高次機能学、蛋白質機能学、遺伝子医療学、再生医療学、制御再建医学からできていますが、初めの3つは生命科学科と深い関係を持ち、後の3つは医学科と関係があり、実際に臨床ベットを持っています。再生医療学と制御再建医学はすでに協力して血管再生治療を何人かの患者さんに実施しました。

 以上簡単に生命科学科、大学院の研究を紹介しましたが、基礎的なところから臨床サイドまでの研究を体系的に協力し合って研究しているのが鳥取大学医学部であると思います。

 




Q3  受験雑誌などでは鳥取大学の医学部生命科学科は理学部の分類になっていますが、他の理学部の生物学科と比べて、学ぶ内容にはどのような違いがありますか?

A  鳥取大学医学部生命科学科と理学部生物学科、さらに生命科学部、薬学部、農学部など他学部の生物系の学科との根本的な違いは、本生命科学科が医学部に設置されている点です。 このため、本学科の学生は、医学科の学生が学ぶものと同様の医学の基礎知識を医学科の教員から学びます。同時に、理学部の生物学科で学ぶものと同様の生物学の基礎知識を生命科学科の教員から学びます。さらに、学年があがるに従って、いずれについても高度な知識や最先端の研究内容を学んでいきます。これらの教育により、医学と生物学の両方の素養を備え、将来の医学や医療を支える、また、生命科学の真理を探究する研究者の育成をめざしています。

 >> 生命科学科のカリュキュラムもぜひ、ごらんください。



Q4  医師免許や教員免許は取れないのですか?

A  医師免許はとれません。また、教育関係の学部が 100km ほど離れた鳥取市にあるため、教員免許も取ることはできません。 確かに資格を持つと就職に便利という安心感はあると思いますが、無くても結構いろんな分野で先輩達は活躍しています。生命科学科の卒業生の多く8-9割くらいは大学院に進学します。 4年で卒業する人の多くは、製薬会社等に就職しますが、大学院修了者(前期、後期課程)は、理研など公共機関の研究所(科捜研もあります)や大学、外国の研究所などや製薬会社などに就職しています。毎年、就職内定率は、ほぼ100%です。>> 詳しい進路内容はこちらを卒業生からのメッセージはこちらをご覧下さい。

また、先輩達の中には、いろんな資格を取得し、仕事に活かしている人たちがたくさん、います。胚培養士、臨床心理士、放射線取り扱い主任者や技術士補、上級バイオ技術者などです。さらに今後は、遺伝子医療・再生医療のコーディネーターやカウンセラーなど、社会のニーズに対応し、生命科学の知識が必要とされるさまざまな職業へと進路が拡がっていくでしょう。



Q5  生物を履修していなくても入学後に支障がないのでしょうか?

A  結論から申し上げると、二つの理由で支障は全くないと言えるでしょう。

 最初の理由としては、入学後の授業は生物を履修していない人も想定して授業が進められます。心理学や憲法学など他の基礎科目を例にとると、これらは高校では授業がありませんが皆が問題なく学べるのと同じです。もちろん最初は分からない点もあるでしょうが、適切な参考文献も紹介しつつ授業を進めます。逆に、生物を履修した人にとっても、大学での授業を聞いて高校の教科書に書いてあることはそういうことだったのか、という経験をすることでしょう。我々は大学院では自主的に研究を進めていける研究者を養成しますが、その前の学部の段階では正しい勉強法を身につけてもらい、自主的に勉強を進めていける学生を養成します。ひとたびその方法を習得すれば、短期間でその心配が杞憂であることに気づくことでしょう。実際に高校生物未履修で入学する学生も少なくありませんし、入学後の勉学においては高校時の生物履修、未履修の差は認められませんので、くれぐれもご安心ください。

 もうひとつの理由は、生命科学は驚異的な速度で日々進歩しています。現在書かれていることの中には、20年前にはまったく書かれていなかったことも多くあります。それでも残念ながら、高校の教科書では、最先端の研究の現場で行われていることまでは述べられていません。つまり入学後、本当に勉強しないといけないことはたくさんあり、高校の生物でカバーできるのはほんのわずかな部分と言わざるを得ません。大学院も含めれば4年以上に及ぶ教育・研究過程では、高校での生物未履修は大きな問題とは成りえないこと、大学入学後の勉学においてはそれよりも大切なことがあることがご理解いただけると思います。

 


 

Q6  生命科学科では4年生になったとき、生命科学科の研究室だけではなく医学科や保健学科の研究室にも入ることができると知りました。その場合、大学院に進んだ後は生命科学科の研究室に戻ることになるのでしょうか?

A 答えから述べますとNoです。

大学院受験に合格することが前提となりますが、引き続き医学科や保健学科の研究室で、今度は大学院生として研究できます。ただし医学科に関しては博士課程前期の課程そのものがないので、学籍上(所属上)は生命科学科または機能再生医科学専攻の博士課程前期に所属することになります。参考までに、4年生での卒業研究のために医学科または保健学科の研究室で研究する場合でも、主に実際に入った先で研究での研究に専念することになりますが、学科を変わるわけではないので、学籍上の所属(母教室と呼びます)は生命科学科の研究室となります。医学科の研究室で博士課程前期を過ごす場合も、これと同じです。このように三学科での協力体制を組むことで、4年生の時点で三学科にある多くの研究室から最も学びたい研究室を選べるよう、また大学院進学後もそこで引き続き研究できるようになっています。

なお、この学籍上の制度のため、博士課程前期で修了の段階で、医学科で研究した方の学位は、修士(医学)ではなく、修士(生命科学)になります。保健学科の博士課程(前期の2年間、後期の3年間)、医学科の博士課程(4年間、後期に相当)に関しては、学籍、所属学科を移すことが可能です。この場合、学位の名称もそれぞれの学科のものになります。