再生医療学部門

Division of Regenerative Medicine and Therapeutics

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分野の特色

私たちの当初の活動は、ES細胞から心筋への分化機構やイオンチャンネル蛋白や収縮蛋白の細胞内成熟機構の心臓疾患への応用に関する基礎研究的な流れと、動脈硬化性疾患の基盤病態の解明を基にした体性幹細胞を用いての実際的な心臓血管再生医療を目差す臨床orientedな流れの2つから始まりました。その後、幹細胞の未分化性の維持機構に関する幹細胞生物学的な研究が加わることで研究に幅が出来、これに伴って教室の人数も増加してきました。ヒトES細胞を用いた研究からヒトiPS細胞や疾患iPS細胞を用いた研究へと進展しています。教室のメンバーは附属病院の医療人と生命科学の研究者で構成されており、立場はそれぞれ生物学であり、医学でありますが、共通のゴールを心臓血管病の克服に置くことで科学と医学の融合が促進され、本教室の目標が達成できると考えて、日夜研鑽を積んでおります。

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

ヒトES/iPS細胞を用いて、循環器領域での基礎研究、再生医療、そして創薬を目指した研究を進めています。ヒトES/iPS細胞から心筋を分化誘導すると、心臓を構成する各種の心筋細胞などが混在して分化誘導されます。そこで、(1)サブタイプ心筋の選択的純化:作業心筋(収縮力を持った心房筋、心室筋)と特殊心筋(電気信号の生成および伝達に関わって拍動リズムを制御する洞結節ペースメーカ細胞、刺激伝導系細胞)等のサブタイプ心筋を、それぞれ純化する方法の開発を進めています。具体的には、EGFPなどの蛍光タンパク質によって、サブタイプ心筋を選択的に可視化できるヒトiPS細胞株を樹立し、セルソーターによって高度に純化された心臓前駆細胞、洞結節ペースメーカおよび心室筋細胞の分取に成功しています。
そして、これら分取した心筋を用いて、(2)徐脈性不整脈に対する再生医療:洞結節ペースメーカ細胞を用いた徐脈性不整脈に対する再生医療法の開発、(3)創薬:純化した各種サブタイプ心筋を用いて、各種薬剤の心毒性に対する創薬安全試験系の確立等の、将来の臨床応用を見据えたトランスレーショナル研究を行っています。また、心臓は、2種類の前駆細胞から形作られることが知られています。これまでに、この2種類の前駆細胞(FHFとSHF)の可視化および選択的分取に成功しており、(4)心筋の発生・分化の制御機構:分取した2種類の前駆細胞の特性解析、前駆細胞からの分化誘導経路、制御因子等の解明を進めています。

スタッフ

久留 一郎(教授)
白吉 安昭 (准教授)
經遠 智一(助教)
李 ペイリ(特命助教)
吉田 明雄(特任教授)
荻野 和秀(特任教授)
野津 智美(プロジェクト研究員)
角田 ひろみ(事務補佐員)

 電話番号

TEL 0859-38-6445

関連リンク

研究室ホームページ https://www.med.tottori-u.ac.jp/regmed/