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分野名
 細胞工学分野 Division of Molecular and Cell Genetics
電話番号
 TEL:0859-38-6263
スタッフの職名と氏名
教授 (兼担)押村 光雄
准教授 (兼担)久郷 裕之
助教平塚 正治


分野の特色
 「細胞工学」とは本来存在しない細胞状態を人工的に作り出すことによって、本来の生命現象や疾病の原因を理解しようとする学問です。

 当教室では特に細胞融合や染色体導入技術を用いて以下のような研究を行っています。特にキリンビールとの共同研究において国際的評価を得た(7)は特記すべき研究課題です。
(1)がん遺伝子・転移抑制遺伝子の単離
(2)細胞老化メカニズムの解明と細胞老化遺伝子の単離
(3)がん細胞におけるテロメレース活性の制御機構の解析
(4)ゲノムインプリンティングの制御機構の解析
(5)ダウン症モデルマウスの作製
(6)染色体工学の技術開発と応用
(7)ヒト免疫系を持つマウスの作製
(8)幹細胞の増殖と分化の制御機構に関する研究

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明
クロマチンの動的変動による転写制御機構の解析とがん抑制遺伝子群の単離および機能解析
 刷り込み遺伝子の機能解析を中心に遺伝子の転写制御機構がクロマチンあるいは染色体レベルでどのように制御されているかを明らかにする。また、発がんの分子機構の解明に向け、がん抑制遺伝子群の解析に取り組んでいます。

マウスにおける新規遺伝子改変技術の開発
  ジーンターゲッティング手法の発展につれ、目的の遺伝子を破壊するノックアウトマウス作製は容易となりました。しかしながら目的の遺伝子発現を自在にコン トロールすることは容易ではありません。DNA修復に関与する遺伝子の生体内における機能の解析を目的に、通常のノックアウトマウスではなく、遺伝子発現 を自在にコントロールする新たな手法の確立を目指しています。

ヒト人工染色体を用いた遺伝子治療法の開発
  遺伝子機能工学部門押村教授との共同研究として、重症複合免疫不全を引き起こすDNA修復遺伝子欠損の遺伝性疾患マウスに対して、人工染色体を用いた遺伝 子治療を試みます。ヒト人工染色体にテトラサイクリン誘導系遺伝子とDNA修復遺伝子を同時に組み込み、遺伝子発現を自在にコントロールできる人工染色体 ベクターを開発し、疾患マウスに対する応用を試みます。ヒト人工染色体をゲノムを破壊することなく、また安定した遺伝子発現の得られる新世代の遺伝子治療 ベクターとして、その応用を試みます。

ヒト型モデルマウスの作成
1)ダウン症候群モデルマウス
 ダウン症候群はヒト21番染色体トリソミーにより引き起こされる先天疾患であるが、中心的な役割をなす詳細な遺伝子(群)は不明です。本研究の目的は、 1)ヒト21番染色体が生殖細胞系列に安定に伝達する動物モデルを作製し、さらには種々の異なる21番染色体領域を保有するトランスクロモソミックマウス を作製すること、2)上記のモデルマウスを使ってダウン症候群発症のメカニズムを解明することです。

2)ヒト型p450モデルマウス
 医薬品の開発にはその薬効や副作用(毒性)について、まずは実験動物を用いて検討した上でヒトに投与しその影響を検討されています。薬効・毒性の違いは薬 物の代謝に関する酵素の種間による相違が原因であることが近年の研究で明かとなっています。本研究の目的は薬物代謝に重要な位置をしめるヒトp450 CYP3Aファミリーを導入したマウスを作成し、医薬品開発に役立てることです。

抗リン脂質抗体の作用機構の解析
  自己免疫疾患や原因不明の血栓症患者に頻繁に見られる抗リン脂質抗体は血栓症の発症と深く関連する.他方,抗リン脂質抗体症候群の患者血漿は試験管内での 血液凝固時間が延長しており,生体内での血栓形成作用と矛盾する.我々は抗リン脂質抗体に類似したマウスモノクローナル抗体を用いて,抗リン脂質抗体がな ぜ,どのようにして血栓症を発症させるのかを明らかにしている。
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