発生生物学分野

Division of Developmental Biology

研究室HP  研究室HPはこちら   

分野の特色

 発生生物学分野では、発生および再生過程において組織が正確な形態とサイズに形成される機構の解明を行っています。その成果から抜本的で大規模な再生医療への発展をめざします。また、遺伝子操作による疾患モデル動物の作製と解析により、様々な医学分野への貢献もめざします。

 本分野の大きな特色は以下です。類似の研究は国内外、ほとんどありません。

  1. 動物モデルとして、それぞれ傑出した以下の利点をもつイモリとゼブラフィッシュを用いて研究を行っています。
  2. イモリは脊椎動物の中で最も再生能力が高く、再生における組織再構築の仕組みを探るのに最も適した動物の一つです。本研究分野では、これまで不可能であったイモリの個体レベルの遺伝子操作を世界で初めて可能にし、発生・再生における遺伝子機能の解明を行っています。
  3. ゼブラフィッシュは、イモリのように再生能力が高いことが知られています。また脊椎動物でマウスに次いで分子遺伝学的な研究に適したモデル動物です。この特色を生かし、分子レベルでの発生・再生現象の解明に取り組んでいます。
  4. イモリとゼブラフィッシュのそれぞれの利点を活かす研究を行うとともに両動物を比較することで、発生や再生における仕組みの普遍性や多様性を明らかにしていきます。
分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

  1. 竹内
    動物が発生そして、再生のときにどのようにして正確に形態、サイズ、機能を獲得する仕組みについて研究しています。特に種を越えて形作りにおいて重要な役割をもつHox遺伝子に注目し、その発生と再生における機能をイモリを用いて解析しています。同時にこれまでマウスなどで解明されていた知見と比較し、その機能の普遍性と多様性、さらにその多様性の生物学的意義に迫りたいと考えています。
  2. 松原
    手足(四肢)発生、特に指の形態形成について研究を行なっています。指は四肢発生期の前後軸によって本数と個性が決定され、再生においても前後軸が必要です。発生、再生、進化と前後軸及び指形態形成の関係性を、イモリを中心とした研究によって明らかにしたいと考えています。
  3. 阿部
    魚のヒレは私たちの手足と相同な器官で、おなじ発生メカニズムでつくられています。私たちは、ゼブラフィッシュというモデル魚類を使って、ヒレと手足に共通のメカニズムを解析しています。ゼブラフィッシュは遺伝子導入やゲノム編集が容易であるともに、ライブイメージングなどで個体・器官レベルの現象を経時的に解析することに長けたモデル動物です。これらの特徴を生かし、私たちの手足がかたち作られる際のメカニズムを分子レベルで、高解像度に可視化しながら研究しています。特に再生現象は、一度作った器官を再構築する、というダイナミックな変化を起こします。このような過程を可視化することで、再生過程での細胞・組織動態を明かにし、私たちの器官レベルの再生能力向上に繋げようとしています。
スタッフ

教授    竹内 隆
准教授   阿部 玄武
助教    松原 遼

 電話番号

TEL 0859-38-6233

関連リンク

研究室ホームページ  https://www.facebook.com/seitai.seimei.toridai