診療案内

胆石症、胆嚢炎

胆石症

胆石とは胆嚢の中にできる結石のことを言います。それでは胆嚢とはどういう働きをしているのでしょうか?
肝臓では消化液である胆汁が作られ、胆管を通って十二指腸へ流れます。
胆嚢は胆管の途中にあり、一時的に胆汁を貯蔵している洋梨のような形をした袋状の臓器です。
胆汁を貯蔵している間に胆汁内の水分や電解質を吸収し、濃い胆汁を作ります。
食事をすることによって、この胆嚢が収縮し、消化酵素である胆汁を十二指腸へ分泌し、食べ物を消化します。
その中でも胆汁は特に脂肪の分解を助ける消化酵素です。
胆石症は食生活の欧米化に伴い、年々増加しています。ビリルビンが主成分である色素結石とコレステロールが主成分であるコレステロール結石の2種類がありますが、近年、特にコレステロール結石が増加しています。

それでは、胆石があるとどんな症状がでるのでしょうか?
胆石があるからといって、必ず症状が出るわけではありません。胆石をもったまま一生を過ごす方もたくさんおられます。
したがって症状の全くない方は基本的には治療の必要はありません。
症状の出る方で一番多いのは右季肋部痛です。右の肋骨の下あたりに差し込むような強い痛みを感じます。
特に食後に痛みを感じることが多いようです。
人によっては、心窩部痛、胸痛、背部痛などを感じる方もおられます。
さらに細菌感染により炎症を起こして、急性胆嚢炎になると、発熱や黄疸、肝機能障害などの症状を伴い、時に重篤な状態に陥ることもあります。
胆石症は、非侵襲的な検査である腹部超音波検査でほとんどが診断できます。
さらに腹部CT検査を行えば間違いなく診断できます。
右季肋部痛、発熱など何らかの症状を起こす方には手術治療をお勧めしています。以前はお腹を大きく切開した開腹手術を行っていましたが、1990年、わが国で初めて腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われ、現在では標準的な治療法となっています。
さらに最近では穴を一ヶ所だけで行う単孔式腹腔鏡下の手術も普及してきています。



腹腔鏡下胆嚢摘出術

1991年、当科で初めて腹腔鏡下の胆嚢摘出術を行いました.腹部に1cm の傷を1ヶ所、5mmの傷を3ヶ所 (計4ヶ所) 開けて、腹腔内を炭酸ガスで膨らませ、腹腔鏡というカメラを挿入し、テレビモニタを見ながら手術を行います。
小さな穴からは、鉗子や電気メス、ハサミなどの専用の器具を使用して、胆嚢を摘出します。
従来の大きな開腹手術に比べて傷が小さいため術後の回復がとても早く(通常術後3日で退院)、現在わが国では、胆石症に対する標準的な手術術式となっています。
ただし、炎症のひどい症例、開腹術後の症例、その他腹腔鏡の手術が困難と予想される症例には最初から開腹の手術を行う場合もあります。



単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術

2009年より当科にて開始しました. へそに1ヶ所だけ穴を開けて、専用のポート (3つの器具を挿入できる) を挿入し、そこから3つの器具 (腹腔鏡、鉗子、電気メスなど) を挿入して胆嚢を摘出する手術です。
従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術にくらべて、傷が少ないため痛みが小さく、また術後の回復が早く、さらには傷がへそに引き込まれて見えにくくなるため、美容学的にも大きなメリットがあります。
従来法と同じく、炎症のひどい症例、開腹術後の症例、その他腹腔鏡の手術が困難と予想される症例には、穴の数を追加したり、 最初から開腹の手術を行う場合もあります。



鳥取大学医学部
器官制御外科学講座
病態制御外科学分野
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