大島麻美先生

母性・小児家族看護学 助教

大島先生

大島麻美

鳥取大学医学部 保健学科
母性・小児家族看護学講座 助教

研究内容

  • 思春期の性に関する研究

保健学科の母性・小児家族看護学講座において、鳥取大学医学部のサークルPeer in Heartとともに活動している大島先生に話を聞いてみました。

Peer in Heart

Peer in Heartとは、思春期にある中学生や高校生に自分はかけがえのない存在であることに気付いてもらい、性について、正しい知識をもち、責任ある選択をしてほしいという目的でできた鳥取大学医学部学生によるサークルです。このサークルメンバー16人全員が、思春期ピアカウンセラーの資格を持った上で、性教育を中心に、鳥取県内の中学校、高校を訪問し、「仲間」という立場で「性」と「生」・・・「命」と「心」について共に考えるという活動をしています。昨年は、年間で中学校4校、高校3校を訪問し、活動を広げました。

実態把握から見えること

思春期の子供達が正しい知識を知っているかどうかを把握するため、鳥取県内の18~22歳の学生の協力により、アンケートを実施しました。 アンケート結果より見えてきたこと、それは、学生自身、性教育について、しっかりと知識を得ていない現状でした。

鳥取県における人工中絶の現状

平成14年~16年にかけて20才未満の人工中絶実施率は、以下の図2の通り、全ての年代の総数の割合と同じく鳥取県は全国でワースト1位であり、これが、Peer in Heartのサークルをたちあげるきっかけとなった1つでした。この現状を改善するため、鳥取県と協力し、積極的に性教育に力を入れ始め、そして、現在、全国に比べ高い実施率ではありますが、少しずつ減少傾向に向かっています。

人口中絶実施率
人口中絶実施率 資料提供/鳥取県
全国における鳥取県の順位
全国における鳥取県の順位 資料提供/鳥取県

受験生へのメッセージ

何かに本気で取り組むものを持って生きるのが、楽しい人生のように思います。大学は、自分が本気になって取り組めるものを勉強できるところですし、あるいは将来に本気になれるものを探すところかもしれません。将来に何をするにしろ、私は、「地元で助産師になりたい!!」と思い、鳥取大学に入学し、助産師になりました。 在学中に出会った『ピアカウンセリング』という活動に魅了され、在学中からピアエデュケーションという同世代の仲間が行う性教育を始め、助産師として働き、教員になった今もずっと性教育活動を行っています。助産師時代に出会った多くの若い世代の人たちからたくさんのことを学び、多くの課題があることもわかりました。大学在学中に興味を持ち始めたことが、現在の研究のテーマになっており、この先も永遠のテーマであると感じています。 現在は、自らの活動の傍ら、大学生のピア活動を支え、学生と一緒に勉強し、楽しく活動しています。 受験生のみなさん、大学在学中に何か興味を持てることが見つけられるような大学生活を一緒に送りませんか。

取材班からの一言

本学保健学科看護学専攻を卒業し、米子市内の総合病院で助産師を経験した後、母校へ戻り、勤務している大島先生。助産師として働く中で、人工中絶を希望して受診される方と接し、思春期のうちに性に関する正しい知識、気軽に相談できる窓口の啓発等をする必要があると強い思いを抱き、教員への道を進むことにしたそうです。 先生の研究は、今、スタートしたばかり。今後、先生の研究によって、鳥取県、全国の思春期と言われる子供達に「性」に関する正しい知識を身に付けてもらい、性犯罪、人工中絶率が少しでも減少することを期待します。!