健康政策医学分野

Division of Health Administration and Promotion

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分野の特色

 健康政策医学分野は、産業保健・医学、気候変動と健康、子どもの健康と環境、がんの疫学、生活習慣病、認知症予防を主な研究領域とし、本学国際乾燥地研究教育機構(IPDRE)や環境省と連携し、研究を行っております。教育に関しては、講義・実習(チュートリアル教育)として、医学科「保健予防医学」「社会医学チュートリアル・実習」「社会環境医学」「生命倫理学」を社会医学講座各分野等と共同して、生命科学科「社会環境医学」を単独で主に実施しています。医学科一般教養科目では「早期体験・ボランティア」「日本の文化と心」「環境科学」などをコーディネーターとして実施しています。さらに、産業医の育成も力を入れて行っております。
 こうした多様な研究と教育を推進するために、医師のみならず、医療・教育関係者等多様なバックグラウンドを持った人間がメンバーとして在籍しているのが当分野の最大の特色です。

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

I 産業保健医学 産業医を目指してみませんか!
振動障害
 林業等で振動障害の方の診断及び追跡調査を山陰労災病院振動障害センターと協力して実施しています。振動障害は、長年の研究成果により林業等による新規患者の抑制に成功しました。今後は、今までの研究成果を生かした新展開が予想されます。
頸肩腕障がい
 手話通訳者等の頸肩腕障がい予防対策事業を鳥取県と協力して実施しています。手話通訳者の方の健康診断及び健康教育の講演会を開催しています。手話通訳者の頸肩腕障がいは、比較的新しい職業関連性疾患として社会的に注目され、その予防対策が重要になっています。
定年まで健康で働ける職場づくり
 当分野では、産業医有資格者・衛生管理者有資格者が、鳥取県内企業および消防局の健康調査、健康管理、衛生管理者、職員教育支援を行っています。また、鳥取産業保健総合支援センターと連携して企業の健康管理の相談、調査研究、過重労働対策、ストレスチェック制度等の支援も行っています。また、産業医の資格(医師の4人に1人が産業医の資格を有しています)取得、衛生管理者の資格取得もバックアップします。

Ⅱ 気候変動と健康
熱中症対策
 地球環境の変化によって、現在日本では毎年のように未曾有の災害が引き起こされています。その中の一つに、地球温暖化によって夏場の猛暑日が増加した結果、熱中症が増えることが危惧されます。熱中症は特に高齢者での死亡率が高く、対策をしていかなければなりません。当分野では、鳥取県と協力し、熱中症のリスクや、どういった予防手段が有効かを調べています。
砂嵐・干ばつ・寒冷災害・水害による健康影響
 温暖化による地球環境の変化は、世界で様々な極端な気象現象をもたらしています。鳥取大学の特徴的研究センターである乾燥地研究センターや国際乾燥地研究教育機構と協力してモンゴル、東南アジア、アフリカにおいて気候変動と健康に関するフィールド研究を行っています。

III 子どもの健康と環境
子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)
 環境省が平成22年度より開始した、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のユニットセンターに鳥取大学が中国地域では唯一の対象として選定・認証されました。エコチル調査は、子どもたちの健康をお母さんのお腹にいる時から13歳に達するまで定期的に健康状態を確認する出生コホート調査です。鳥取大学では、医学部長をセンター長として、当健康政策医学分野、生殖機能医学分野、周産期・小児医学分野、母性・小児家族看護学講座、脳神経小児科学分野、地域学部地域教育学科が協力して、エコチル調査を推進していきます。
 本研究室では、以下のテーマで研究を行っております。
・虐待を防止するために、母子関係形成に関わる重要な因子の同定、子どもの精神発達への影響解明
・重金属元素曝露による子どもの精神発達への影響解明
・どういった環境要因が子どもの精神発達に影響を与えるかの探索
・妊娠中の薬剤使用が子どもの発達に与える影響解明

IV生活習慣病と認知症
生活習慣病予防
 現代日本人の生活習慣とがんとの関連を明らかにするために、がんの危険因子の評価に関する大規模コホート研究JACC Study (Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk)が行われています。当分野は鳥取県内の住民を対象にこの研究に参加し、健康・生活習慣と死亡との関係を調査研究しています。

認知症の要因と予防に関する疫学研究
 我が国では人口の高齢化に伴い、認知症患者の増加が重要な健康問題となってきていますが、現在では、認知症も生活習慣病のひとつと考えられ、認知症予防の研究が活発に行われるようになりました。当分野では、鳥取県内の地域住民の方を対象に疫学調査を行っています。認知症の要因を明らかにするとともに、認知症の早期発見に重要な因子およびその予防に有効な関連要因について調べています。

その他
在学生への支援
 当分野は、在学生への学生生活についての相談を受けています。どこの場所に相談すればよいか解らない、家庭問題、進路問題、どの診療科に受診すれば良いか解らないなど、内容は問いませんのでお気軽にご相談下さい。

お知らせ
 当分野では、上記研究課題に興味を持つ4月または10月入学の博士課程入学志願者を募集いたします。原則4年間(昼間又は夜間)で、公衆衛生学・疫学の知識を中心に調査研究が実践できるように学び、英語論文を完成させます。ご興味のある方は、下記までお問い合わせ下さい。

スタッフ

講師    天野 宏紀
助教    増本 年男
研究協力者 大谷 眞二(鳥取大学国際乾燥地研究教育機構)
研究協力者 Mohammad Shahriar Khan(鳥取大学国際乾燥地研究教育機構)
大学院生  長妻 洋恵(博士課程)
大学院生  舟木 聡美(博士課程)
大学院生  Alam Mohammad Intekhab(博士課程)
大学院生  皆木 一磨(博士課程)

 電話番号

TEL: 0859-38-6113
FAX: 0859-38-6110
Email: kouei@med.tottori-u.ac.jp

関連リンク

研究室ホームページ https://www.med.tottori-u.ac.jp/healthad/
子どもの健康と環境に関する全国調査(環境省) http://www.env.go.jp/chemi/ceh/
子どもの健康と環境に関する全国調査 鳥取ユニットセンター http://www.ec.med.tottori-u.ac.jp
鳥取大学 国際乾燥地研究教育機構 http://www.ipdre.tottori-u.ac.jp