統合生理学分野

Division of Integrative Physiology

 

分野の特色

 生体機能を調節する系として、神経系や内分泌系さらには免疫系が知られています。統合生理では生体調節にかかわる神経メカニズムについて研究を行うとともに、基礎神経学、基礎内分泌学等の医学教育を行っています。教室の雰囲気は明るく、常に学生さんたちが出入りしており活気にあふれています。医学部の将来を担う医師・研究者の育成を目指しています。

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

1. 脳内感覚による恒常性調節についての研究
 脳は神経を通じて様々な末梢部位の情報を感知しているだけでなく、脳自体にも体の情報を感知する感覚器官を持っています。その代表が感覚性脳室周囲器官と総称される3つの神経核です。体液成分を感知したり血流に乗って末梢から来たシグナル分子を受容して、それにもとづいて口喝や塩欲求、血圧、尿量などを調節することにより、体の恒常性を維持しているのです。私たちの研究室では、脳のセンサー分子からその情報を伝達する神経回路、行動や生体機能までを総合的に解明する研究を進めています。

2. 生体恒常性を司る脳と末梢組織を結ぶ神経回路についての研究
 我々の体は、外界の環境の変化に対して体内の生理状態を安定に保つ仕組みである「生体恒常性」により、体温・エネルギー状態・免疫応答などのバランスが正常の範囲内に保たれ健康が維持されます。一方で、恒常性の破綻はさまざまな病気の発症を引き起こします。恒常性の維持においては、脳・感覚器・末梢組織が神経回路を介して綿密に連絡を取り合い、体内の組織が協調して働いています。私たちは、このような脳ー末梢組織間を結ぶ恒常性に関わる神経回路の構造と機能に興味を持っています。神経回路を可視化する技術や、脳の特定の神経細胞を刺激してエネルギー代謝を測定する技術などを開発・利用して、研究を行っています。

3. 脳と内分泌調節に関する研究
 脳と末梢の臓器は、求心性(感覚性)の神経(体性感覚神経、臓性感覚神経)と遠心性(運動性)の神経(骨格筋を支配する体性運動神経と血管や内臓の筋を支配する臓性運動神経)を通じて連絡しあっています。また、血流を流れるホルモンなどのシグナル分子を介して情報のやり取りを行う内分泌系を介した情報伝達も行っています。この2つのシステムは互いに影響を及ぼしあう関係でもあります。私たちの研究室では、神経系と内分泌系の関係を解明することを目標に研究を進めています。特に、個々の神経細胞の役割を明らかにするため、特定の神経細胞を特異的に制御したり活動を計測する技術を使った研究を進めています。また、単一細胞の遺伝子解析技術を神経系に応用した研究を進めています。

スタッフ

教授  檜山 武史   hiyama@tottori-u.ac.jp
准教授 近藤 邦生   kkondoh@tottori-u.ac.jp
助教  吉村 祐貴   yoshimura@tottori-u.ac.jp

 電話番号

TEL 0859-38-6031/6033

関連リンク

https://researchmap.jp/hiyama_takeshi
https://researchmap.jp/920
https://researchmap.jp/yoshimura06